雪密室/法月綸太郎
新本格ミステリの代表的な一人と呼ばれる法月綸太郎作品を初めて読みました。
筆者の第2作にあたる『雪密室』は、名探偵・法月綸太郎が登場する第1作でもあります。
内容は非常にシンプルで、一つの殺人事件があって、そのトリックと犯人を名探偵が暴くというもの。
エラリィ・クイーンのファンらしく「読者への挑戦状」が付いています。
「これぞ本格」と思わせる一方で、刺激の強いミステリに慣れてしまった身としては、若干の物足りなさも感じます。
"密室"は本格ファンなら聞いただけで小躍りしてしまう言葉ですが、トリックを聞くと「なーんだ」と一気に冷めてしまうことが多いです。
この作品も、その多分に漏れず・・・という印象でした。
しかし、決してトリックだけに頼るのではなく、それぞれのキャラクターの付け方とか、さすがに上手いなーという印象を受けました。
特に、物語の主人公の一人である法月警視のキャラクターがいいですね。
警視庁警視としての誇りと、一人の人間としての脆さ、父親として息子に捧ぐ愛など、様々な感情が同居している、とても魅力的なキャラクターだなと思いました。
彼の息子である名探偵・綸太郎はあまり出て来ず、出てきても描写されていないのが残念ですが、この後のシリーズで広げていくのでしょうね。
もう何作品か、氏の作品を読んでみたくなりました。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- それから/夏目漱石(2009.11.12)
- 秋の、読書。(2009.11.03)
- 時刻表に見るスイスの鉄道/大内雅博(2009.10.11)
- 街の灯/北村薫(2009.09.28)
- ちょっとマニアックな、好きな"名探偵"(2009.08.29)

コメント